レレレのお姉さん

リップヴァンウィンクルの花嫁のレレレのお姉さんのネタバレレビュー・内容・結末

3.0

このレビューはネタバレを含みます

撮りたい画からストーリーを考えてるのかな?というシーンが何箇所かある。
ハッとするような画の美しさは悔しいけど認めざるを得ない。

しかし全体を通して話には不満が残る。

▼ 終始未熟なままの主人公(黒木華)

・後先考えずにアホな行動を繰り返す→結果ツケが回って不幸を見る
 (例: 突然訪問してきた知らん男を家に1人でいる時に入れる。しかもなんの根拠もないそいつの発言を信じる)

・成長しないので、今後も搾取され利用され続けていくのではないかという不安を視聴者に残して終わる

・メイド服着なさそうなキャラなのに着るのご都合主義でイライラする


▼ 女の客体化とリアリティのなさ

・浅い百合好きが考えた理想化されたレズビアンという感じ

・出会って数時間であまりにも近すぎる2人の物理的距離感。心理的距離が縮まっていく描写より先行して肉体的な距離感を強調してくるのが気持ち悪かった。そこにあるのは2人の心ではなく、2人の女に耽美を見出したいという部外者の欲望の目。

・ウェディングドレスを見にきた女2人を勝手に「お友達」と決めつける店員は、時代を思えば自然かもしれないので(嫌だけど)百歩譲るとして、それを当事者が傷つきもせずにスルーするだろうか?結婚しても一緒に死んでもいいと思う相手なのに?

・AV女優の解像度低すぎる。「女優の仕事をとったら私には何もない」ってモブが全AV女優の代弁者のように言うのだけど、そんな風にAV女優の方々が思っているようには思えない。


▼ 綾野剛に惹かれてしまう自分と脳が発する危険信号

・作中唯一魅力的と思えた登場人物

・綾野剛を嫌いになればいいのか、好きになってもいいのか分からなくさせられて混乱した。
 終始嫌なやつでいてほしいのだけど、あまりに主人公が頼りないので、綾野剛に目移りしてしまう。付かず離れずのフラットな距離感がセクシーで心地よい。しかしレイプ工作をしようとした犯人ということを考えると許せない。
 こんな感じで心と頭が別々に動くので情緒がおかしくなった。