てっぺい

ジュラシック・ワールド 炎の王国のてっぺいのレビュー・感想・評価

3.5
【シリーズの世界観激変のラスト】
恐竜達が実世界で咆哮する、シリーズの圧倒的な迫力はそのまま、とあるキーパーソンの登場と共に、世界観が激変するラスト。もうワクワク感が止まらない!
◆概要
「ジュラシック・ワールド」('15)の続編。出演:クリス・プラット、ブラウス・ダラス・ハワードらメインキャストが続投
監督:「インポッシブル」J・A・バヨナ
◆ストーリー
崩壊した「ジュラシック・ワールド」を有するイスラ・ヌブラル島に、火山の大噴火の兆候が表れる。恐竜行動学のエキスパートのオーウェンは、恐竜たちを救うべく行動を開始するが、その矢先に島の火山で大噴火が発生し…
◆見どころ
相変わらずの圧倒的な没入感。巨大な恐竜が咆哮する、爆走する、戦う、人を喰らう、恐竜が現実の世界と共存する映像にのめり込むのはシリーズそのまま。こと今回は冒頭から海の恐竜(モササウルス)の強烈鳥肌シーンで一気に引き込まれる。
◆新要素
またこの作品に新たに加わった要素が、とてつもなく世界観を広げていて、ラストのどうしようもないワクワク感に繋がっていると思う。メイシーという登場人物がそれで、このシリーズが今回何をしようとしているのか、この子の素性を明かすところから、激変するストーリー展開とともにそれが分かってくる。

◆以下ネタバレ

◆メイシー
恐竜を世に放つ決断が出来るのは、他の誰でもなく、自身こそが恐竜と同じクローンであるメイシーのみ。次回作への大きな伏線であり、次回作を絶対に見たくなるラストを見据えて、今回彼女を登場させた、製作側の意図的な作品になっていると思う。
◆メッセージ
映画のメッセージも分かりやすく整えてある。今もなお世で発展し続けているクローン技術に、“一線を越えると取り返しがつかない”事を、連邦議事堂でのイアン・マルコムが発する台詞とともに、そしてメイシーという実例を映画として描きつつ、警笛を鳴らしていると思う。島で取り残され、マグマと消えていく首長恐竜(アパトサウルス?)の悲哀なシーンも、その警笛の表れだったと思う。

残念だったのは…
やはりこのシリーズに求める、大地での恐竜たちの迫力がもっと見たかった。クローン恐竜との屋敷内でのアクションは見応えこそあるものの、やっぱり見たかったのは、室内ではなく、大地やジャングルで幾度となく襲ってくる恐竜達の、外ならではの迫力ではなかったか。

実世界に恐竜を放った事で、次回どう話をまとめていくのか。次回作に大いに期待!
てっぺい

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