わたがし

ミュージアムのわたがしのレビュー・感想・評価

ミュージアム(2016年製作の映画)
5.0
 まず大友啓史には不信感しか抱いていないので、めちゃくちゃ期待をせずに(誘ってもらった試写会なのにクソ偉そう)観に行ったのだけれど、予想以上にちゃんと面白くて、相変わらずの2時間越えなのに最後まで飽きずに観ることができた。
 それでも100分ぐらいにはまとめられる内容だと思ったし、あんまり意味があるとは思えない場面をダラダラ流して変な緊張感の高め方をしてくるのはすごく気持ちが悪い。その気持ち悪さも今考え直すと(作品のテーマ的に)全然悪くないのではないかと思ったりもするけど、それでも観てる時は正直しんどい。死ぬほど強靭な集中力が必要とされる。
 音楽の使い方もまた微妙に変で、頑張って盛り上げようとしているのに盛り上げようとしている張本人(作り手)は全然盛り上がっていないのを肌で感じる。そしてこの感覚、マーベル映画にそっくり。印象に残るメロディが全くないのも。それでもハッとさせられる使い方もところどころあったりして、しっかり心を掴まれる瞬間も少しあったりなかったり…
 残酷描写は「PG12しっかり守ってるぜ~!おら~!」という感じがして、それが最高であり最低でもある。残酷描写の度合いによってだいぶ受ける印象の変わる物語だと思うので、やっぱりしっかりR15にしてほしかったなあ、と少しだけ思うも、小中学生が観ると生涯のトラウマになりそうなほど(精神的に)酷い場面もちゃんとあるのでそこはにっこり笑顔!
 そして何よりすごいのが小栗旬で、今まで観てきた小栗旬の中で1番かっこ良くて、1番みっともなかった。あまり多くは言えないけど、クライマックスでの表情芝居なんか「日本で一番悪い奴ら」の綾野剛の覚せい剤ラリラリ演技に匹敵する迫力がある。身体の動きもいちいちしなやかで、殴り合いアクションも最高に良い。こんなにすごい役者だったんだと驚きっぱなしだった。日本のトム・クルーズになってくれ!!そして俺は市川実日子と結婚したい!!
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