映画好きな人からするとこれはもうどう考えたってフィンチャーの「セブン」を意識しているし、実際ほぼそういう映画である。
「セブン」がマイベストムービーの自分にとっては、これはかなり辛口の評価になるかと思っていたが、「るろうに剣心」以外はすべて酷評されている大友監督の映画では久々の当たりだといえる。
緑に固執した画作りも、作品の展開や犯人の手口に至るまで「セブン」のパク…、オマージュにあふれているが、緊迫感が最後まで持続する演出は作品ごとにタッチを変える監督の手腕が活かされている。
というより原作からして「セブン」を意識しないほうが土台無理な話で、あえて全面にその方向性を押し出したのは正解だったのだろう。
コンパクトな原作をほぼ完全に再現したストーリーは未読者には衝撃的だろうし、映画としての面白味は充分。
ここまで「セブン」を意識するならば、カエル男の正体も公開まで伏せるべきだったんではないのかぁ。