ひろぽん

ミッション:インポッシブル/フォールアウトのひろぽんのレビュー・感想・評価

4.1
『ミッション:インポッシブル』6作目

プルトニウムの奪還に失敗してしまったイーサン率いるIMFチーム。その盗まれたプルトニウムを用いて世界同時核爆破テロが計画されていることが判明。事件は秘密組織「シンジケート」の残党が結成した「アポストル」が関与しており、ジョン・ラークという犯人の名前だけを手掛かりに不可能なミッションをこなしていく。テロを阻止すべくイーサン・ハントとそのチームがミッションに挑む物語。


前作のシンジケートとの決戦から2年の月日が流れたところから始まる。

冒頭からルーサーを救うためにポンコツな凡ミスをしてプルトニウムを敵の手に簡単に渡してしまうイーサンがなんとも愛らしい本作。任務よりも仲間を優先する人柄の良さを感じる。

今回の5秒後に消えてしまうミッション伝達はまさかの本。シンプルに身近な物というのが良い。

CIA長官エリカの直属の部下である凄腕エージェントウォーカーが、イーサンの見張りをする事になるのだが、彼のアドバイスを無視し次々とミスを連発して平然な態度でいるウォーカーがムカつく。

空からの潜入ミッションで勝手に飛行機から飛び降りて雷に撃たれて気を失いイーサンに助けられたり、ジョン・ラークの影武者との戦闘で変装マスクを製造するためのPCを破壊してしまったり、ターゲットが気絶したと思って薬を打たなかったりと優秀さの欠けらも無い。

パリで行われるホワイト・ウィドウの慈善事業のパーティでジョン・ラークに成りすまして“初対面なら騙せる”と言い放つイーサンのいつも通りのカッコ良さ。

アポストルはプルトニウムと引き換えに、ソロモン・レーンの奪還を企み、それに協力して護送車を襲うイーサン率いるIMFのエージェントたち。護送車を体当たりでセーヌ川に突き落とし、レーンを脱獄させようとする水中アクションの映像には驚かされた。

前作に引き続き登場するMI6のイルサ。イーサンの元に幾度も立ちはだかる彼女の目的や、明かされていく謎の人物ジョン・ラークの正体が面白い。

オフィス内を駆け巡るイーサン走り。イーサンに指示を出すベンジーの、方向を間違えたり2Dと3Dを間違えるコミカルなやり取りにはクスッと笑ってしまった。今作はパリをイーサンが走る走る走る。走りまくりだ。

ビルとビルを飛び実際に骨折するシーンの痛々しさ。骨折しても直ぐに立ち上がるトム・クルーズの役者魂を感じた。

そして、終盤の圧倒的なヘリでの迫力満点の空中戦。ヘリで吊るされたり、操縦したりするトム・クルーズのスタントなしの圧倒的なパフォーマンスが凄すぎる。

タイムリミットがある中、世界のために何がなんでも諦めずに戦い続けるイーサン・ハント。2作目を思い出させるかのような崖を登るシーンも印象的だった。

かつて愛した妻のジュリアとの関係性にも区切りがつくが、2人の関係性が謎すぎる。それを温かく見守るイルサとの今後の発展に期待。

アクションは過去一でスケールが大きく素晴らしいのだが、個人的には4作目と5作目よりもハマらなかった。

ストーリーが少し複雑だったり、誰が敵で誰が味方なのかもイマイチピンと来なかった。ホワイト・ウィドウはただの仲介人ってだけで悪い奴ではなさそう。

1作目で信頼していた仲間を全滅させられた過去もあってか、今作では何がなんでも仲間を死守しようとする強い思いを感じた。シリーズを重ねるごとに仲間を失う恐怖心のようなものが感じられ人間味が増してる。

新作の『デッド・レコニング』がとても楽しみ♪♪
ひろぽん

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