わたがし

ミッション:インポッシブル/フォールアウトのわたがしのレビュー・感想・評価

5.0
 なんかまず序盤からイーサン・ハントってこんな頭悪かったっけ?って思ってしまって笑わずにはいられなかった。このシリーズはゴーストプロトコルからしか観てないんだけど、ハントは作品を重ねるごとに頭が悪くなっていっているような気がする。そしてその分、人としての何かを失い、アクションも過激になっていくという。
 ハリウッド映画あるあるのひとつ「シリーズ作品は回数を重ねるごとにシリアスにならなければならない」を忠実に守ったような映画で、悪い意味でワイスピのアイスブレイクに似てるなあって思った。それに伴って能天気なアゲアゲテーマ曲も使用頻度が下がって、しかも正統に流さずにスカしたアレンジばっかりしてる。シリーズの重みは感じれるけど、一本の映画として観ると本当にそうじゃないんだよ感がある。
 でもやっぱりヘリとかのアクションは物凄くテンションあがるし、こういう映画を映画館の大スクリーンで観ることがどれだけ人類にとって大切な行為かということを再認識させられた。そして、この狂気の祭典をスクリーンに映し出すために全力で働き、それでお金を得て、家族を養っている人間たちの名前がズラッと並ぶエンドロール。やっぱり自分は金のかかったハリウッド映画が大好きだなって思う瞬間。
 バリー・シールもそうだけどトム・クルーズは最近、自分の映画においてキャラクターを演じてアイコンになることを避け、演技とか芝居のセオリーを無視し、意識的に「トム・クルーズ」であろうとしてるように感じる。キャラに自分が寄っていくのではなく、いかにキャラを自分に引き寄せるかということ。彼のその映画制作スタイルに、男の社会承認欲求のドロドロの焦りを感じてしまう。トム・クルーズは、ミッション・インポッシブルシリーズが歴史に残ることよりも「トム・クルーズ」が歴史に残ることのほうが絶対的に重要なんだと思う。もうトム・クルーズは自伝映画の主演張ってくれ
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