西村大樹

ガキ帝国の西村大樹のレビュー・感想・評価

ガキ帝国(1981年製作の映画)
3.5
あの時代。大阪に生きていた井筒監督にとっては、非常にリアリティある作品なのであろう。映画的な味付けはされているものの、やはり監督が体験したあの時代が強く描かれている感がする。
そのため、2020年に観ると時代のズレを感じる部分がある。ケンカの理由は分かるのだが、どうもそれだけで繋げてしまっているような……。

ただ、ラストは素晴らしい。このラストがあることで、自らの過去の無意味さ、虚しさ、どこにもやり場のない怒りに似たようなものが痛々しく伝わってくる。
なんとも悲しく、虚しいラストがあることで、本作は青春映画の傑作になりえた。
西村大樹

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