NEWおっさん

アイ・イン・ザ・スカイ 世界一安全な戦場のNEWおっさんのレビュー・感想・評価

4.5
「その結末を受け入れろ。」

一風変わった戦争映画。これは斬新な切り口だし、しかもメッチャ面白かった。タイトルの安全な戦場というのも見終えた後なら納得がいく。

ドローンを使い遠く離れたトコロからテロリストを殲滅させようとするシンプルな計画だが、コトはそう単純には行かない。国や派閥の問題、殺害か捕獲かなど議論に議論を重ねるがなかなか決断されない。そしてやっと答えが出たと思ったら外的要因だった1人の少女によってまた決断が伸びてしまう。テロが起きて80人の犠牲を出し1人の少女を救うか。それともリスクを背負いいなくなるまで待つかのリアルタイム選択に、色んな思惑が絡み合ってくる議論シーンが面白い。

更に1人の現地報道兵士がテロのアジトの近くまで踏み込むパートもビートル型カメラを使ったり、少女のパンを買うミッションがあったりと色々緊張感がありまた面白い。

緊張感と言えば、全編それが漂う本作だが、特筆すべきはやっぱり瀬戸際のミサイル発車の決断だろう。そこは終わりに繫がる根本的なネタバレなのでまた以下に描く。

安全な戦場であろう故に悩みまくる登場人物達。あくまで主人公はキャサリン大佐だが、群像劇の体も為しているので、そういうのが好きな人もオススメ。戦争映画にまた新たな傑作が誕生した。

----------ここからネタバレ----------





















少女が助かるかどうかがこの映画の肝だが、助からないという超ヘビーな結末を迎える。しかも、任務に関わった人達はまだ少女が動いていたというとこまでしか知らなくて、現地人と我々視聴者だけしか死んだコトを知ってるのが切ないわ。

誰も見てないトコで息を引き取るシーンは呆然とした。遣る瀬無い気持ちだけが残る結末であった。