とてもテーマの大きさ深さを感じる一方で
どこかむずがゆく感じる作品。
どの立場の人間にもそれぞれの正義があり、責任がある。
理想だけでは成り立たない現実の中で
誰を優先し、何を守るべきなのか
刻々と迫るその瞬間へ向けて、緊迫感は高まっていく
どんどんのめり込んで観てしまうのだが、
状況は緊迫しているはずなのに、
そこにいる人たちはそれほどの焦りを見せない
むしろほっこりしてしまう瞬間だって映し出される。
戦争に係る人間も一人の人間
彼らの日常の一片を盛り込むことで
それぞれの立場に感情移入できるようなつくりだからかもしれません。
だからなのか演技に焦りはあるものの
疾走感というかスピード感というものが感じられないのが
どことなく満たされない感覚になります。
これは観ている側があまりにもそれに慣れてしまったせいでしょう。
だからこそアーロン・ポールが光って見えてしまう。
ヘレン・ミレン好きなはずなのに
煮え切らない感情を表現する彼女に
どこか物足りなさを感じてしまうのもそのせいです。
しかし、期待を裏切らないアラン・リックマン。
やっぱり最後の最期にカッコいいセリフと砕けた表情
まだまだ観たかった、、、