Nolton

貞子vs伽椰子のNoltonのレビュー・感想・評価

貞子vs伽椰子(2016年製作の映画)
3.5
現在の国内ホラー作品界を最先端で引っ張っているとも言える白石監督作ということで、意気揚々と観に行きました。少々ヘンな箇所に期待しすぎたかな…というのが正直な感想ですが、、、両キャラの魅力がしっかり踏襲され、ホラー映画としてバランス良く大変楽しめました。
特に「貞子3D・3D2」や「呪怨ファイナル」を観て幻滅し、この映画に地雷臭を感じてスルーしているような人がもしいれば、それは勿体無いと思います。

貞子・伽椰子のモンスターとしての魅力の引き出し方や前振りのホラー演出が鉄板とはいえ丁寧である事はかなり大きな魅力。シャワールームでの貞子の呪怨オマージュや個性的な霊媒師キャラ、「咒」の漢字など過去シリーズファン・白石監督ファンもニッコリな小ネタも豊富です。

特に貞子パートの世界観説明の上手さ(「リング」とは違った形で都市伝説として処理する)、それが後に活きる展開はズートピアの最初の演劇並みの丁寧さを感じました。
それに比べ伽椰子パート導入はちょいと雑な印象を受けましたが(唐突な俊雄アップ、今の女子高生がタロットするか?小学生の演技酷くね?等)、フットワークの軽い俊雄君や満を持して現れる伽椰子の「待ってました!」感は真新しいですね。

ラストの展開には賛否が別れるかと思います。「VS系として一番やっちゃいかんオチだろ!」という意見ももっともですが、僕は結構良いのでは?と感じています。だってあの二人には元々戦う理由がありませんからね(笑)
些細なすれ違いからぶつかってしまった事を考えると、あのラストも色々解釈できて面白いです。続編に期待!(もうVS出来ませんけどw)
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