ウシュアイア

君の名は。のウシュアイアのレビュー・感想・評価

君の名は。(2016年製作の映画)
3.5
(2016/11/28鑑賞)
平日の午前中だというのに、シネコンの中規模スクリーン(100席前後)がほぼ満席で、学校が休み(サボった?)中高生と大学生がそれぞれ3割くらい、(暇をもてあました?)主婦と思しき婦人が3割、午後出勤を決め込んだサラリーマンOLと思しき方々が1割といった構成だったように思えた。いずれにせよ、圧倒的に若者から支持を集めている様子。

内容的には、田舎に暮らす女子高生と東京に暮らす男子高生の身体が入れ替わり、二人はそれぞれの生活を楽しみつつ、直接会うことのない不思議な交流を続けていき、さらに人間社会の危機的状況を救う、というお話。

観ていて思ったのは、この手のSF作品にはどこかしらラノベの元祖、筒井康隆の『時をかける少女』の影響があるなと思わずにはいられなかった。もっと言ってしまえば、『時をかける少女』は余韻のある形で終わるのに対して、超能力を使って人類の重大危機を克服するという形に膨らませてカタルシスに持ち込んだのが本作のような気がする。

他にも『おもひでぽろぽろ』に見られる、アニメに日本の里山風景を取り込んだりと、随所に「何かどこかで観たような」と思わせる要素がてんこ盛り。

作りこまれた作品なのではまる人が多いのはわからなくもないが、SFはカタルシスよりも余韻がある方が好き。
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