ニャーニャット

レッドタートル ある島の物語のニャーニャットのレビュー・感想・評価

4.1
いいアニメなんだけど、完全に鈴木敏夫と高畑勲の暴走だよね(笑)
これを東宝の配給でシネコンを中心に100館以上で上映させちゃうんだから。どう考えてもこの映画シネリーブル案件でしょ。

この間の『ガルム・ウォーズ』もそうだけど、鈴木敏夫の東宝への影響力って絶大なんだね。宮崎駿の映画以外当てたことないと思うんだけど、それでも東宝にジブリがどんだけ儲けさせたかってことなのかね。

もちろん映画好きとしては、こういう映画が田舎も含めて全国で上映されることは素晴らしいと思うんだけど。
ただ、そんな映画の割には箱が6割くらいは埋まってた。他の田舎のシネコンでここまで埋まるとは思えないけど。

そして、そんな鈴木敏夫の「罪滅ぼし」映画、内容はいたって素晴らしかった。

オープニングの大嵐といい、竹林といい、どこか高畑勲の影響を感じさせるんだけど、なにより日本のアニメじゃ絶対にありえないキャラクターデザインとアニメーターにとっては地獄だったであろう引きの絵の連発。連発というか引きの絵しかない。また、それを巧みに動かしてるんだから凄い。
大嵐や津波のシーンの凄みは言うに及ばず、女性が水中を泳ぐ時の髪の毛の揺らぎなど非常に繊細なタッチも持ち合わせてる。
そういったアニメーションのこだわりは凄い一方で、登場人物の目はみんな点(笑)
目に何か感情を宿そうという意思がない。

ーー以下、コメント欄でネタバレーー