ryodan

レッドタートル ある島の物語のryodanのネタバレレビュー・内容・結末

3.6

このレビューはネタバレを含みます

期待値が高すぎて少々消化不良。台詞が一切ないという素晴らしいアイディア。美しすぎる映像、リアルな動き。なのにです。観念の問題でしょうか。西欧的な観念。キレイに人間を描きすぎ。美しい自然というのは美しい過ぎる故の残酷さがあります。子亀が死ねばカニがもらっていきます。その中に人間がいるのに、何故「生」に執着する描写が極端に少ないのか。女に生まれ変わった亀に何故自分の衣服を着せるのでしょうか?一度は殺した相手に。家族を持ち、妻と子と魚を食べるシーン。もちろん亀は生で食べるでしょう。そこに焚火がなかったということは、当然主人公も生で貪りついたはずです。なのにそういう描写がない。きっと西欧ではタブーなんでしょう。裸の女や生で魚を食べるなんて。それでは文明社会にいる人間と何ら変わらない生活をしていると同じ事では。自然と共に生きるということは、もっともっと赤裸々であっていいはずなのに。人間的であることを保とうとする。違和感しか湧きませんでした。物語の必然性や説得力にツッコむことは寓話として捉えれば我慢できますが、さすがにね。。残念です。
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