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ダンケルクのTSのレビュー・感想・評価

ダンケルク(2017年製作の映画)
3.3
【尋常ではない臨場感】73点
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監督:クリストファー・ノーラン
製作国:アメリカ/オランダ/フランス/イギリス
ジャンル:戦争
収録時間:109分
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2017年劇場鑑賞68本目。
かなり期待していた本作でしたが、少し期待しすぎてしまったようです。クリストファー・ノーランの新たな挑戦でもあり、従来の戦争映画とはまた一味違う映画です。しかし、その一味違う部分が妙に引っかかってしまいましたのでこれくらいのスコア止まりでした。

今作は第二次世界大戦におけるダンケルクからの撤退、いわゆるダイナモ作戦の一部始終を描いた映画です。台詞はそれほど多くなく、昔では撮影が困難であったと思われる撮り方(例えば戦闘機目線の映像など)を駆使して製作されています。故に恰も自分がその場にいるような感覚を味わえることが出来、まさしく一寸先は闇。POVにも似たような感覚を抱きました。この点は高く評価されるべき点でしょう。客観的な出来事というよりかは主観的な出来事になるべく持っていったということは素晴らしいでしょう。実際、銃声、爆撃音は相当の迫力があり、映画館で観るべき映画の一つであると思われます。あとBGMがほとんど鳴り止まない。最初から最後までクライマックスのような雰囲気を味わえます。

ただ、戦争映画を好む自分としてはもう少し当時の事情を説明してほしかったなと感じました。臨場感に重きをおいた結果、従来の戦争映画にある要素が所々欠けていた気もします。もっとも、ノーランは今作を戦争映画とみなしていないということから、この映画に従来の戦争映画の要素を求めてはいけないのかもしれませんが。。それでも、この出来事はイギリス軍フランス軍合わせて33万人の命を救ったものであり、後の戦局に大きな影響を与えたようです。「攻める戦争映画」ではなくて「逃げる戦争映画」。個人的にはもう少し、、といった感じでしたが十分すぎるほどの臨場感を味わえますし、戦争映画史に別の角度で名を残す作品となりそうです。また、これを機に、過去作の『ダンケルク』がどういう撮り方をされているのかも気になりました。
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