君に生きるのを手伝ってほしい。
原作は大今良時先生の漫画、制作は京都アニメーション、監督は山田尚子さんとなります。パッケージだけを見ると、青春映画っぽい感じはしますが、中身を陰鬱であり、重いものがあります。
あらすじとしては、高校3年生の石田将也はこれまで続けていたアルバイトを辞め、自殺をしようとする。回想が入り、小学生時代にに先天性の聴覚障害を持つ少女・西宮硝子をいじめて楽しむ将也。補聴器を壊し、クラスから非難を浴びる立場となり、いじめられる側へと変わった。中学になても、将也は孤立していく。そんなある日、転校したはずの西宮に会うのだが…。
アニメーションとしては、京都アニメーションらしい美しさと綺麗な絵に、心の機微を上手く描いたしぐさや描写があり、素晴らしいです。
テーマとしては、コミュニケーションであったり、罪を犯してしまった人間の自己肯定について描かれています。
主人公の石田将也が西宮に対して行ったことは、間違っています。ただ間違った人間も更生して生きていく必要もあります。被害者であった人間も、いつまでも被害者ではなく、変わっていきます。
最後まで観ると、心に訴えかける何かがあるはずです。言葉多く語る作品ではありませんが、それだけにじんわりとしたものを感じ取ることができる作品でした。