ゼロ

デッドデッドデーモンズデデデデデストラクション 前章のゼロのレビュー・感想・評価

4.3
地球がくそヤバい!

浅野いにお氏が連載していた同名漫画の劇場アニメーション。原作が全12巻あるため、映画を1本ではなく、2本に分作している。今回は、前章。意外にもキャリアのある氏の作品で、初めてアニメーション化した作品。

キャッチコピーにもあるように、大雑把な状況は、「地球がくそヤバい!」。前章である本作では、3年前の8月31日、突如東京都に巨大な空飛ぶ円盤、通称“母艦”が襲来。その異常事態を生きる高校生にフォーカスしたディストピア青春譚。

過去の傾向として、何十冊もある漫画を映画にすると、端折られてる場面が多く、不満を抱くことが多いが、本作品にはそれがなかった。原作を再構築し、メインの小山 門出と中川 凰蘭にフォーカスし、テンポが良く、原作にあった要素は漏れていないので、面白かった。

漫画は、画力が飛び抜けていたが動きが弱いところがあったが、アニメとなったのもあり、アクションも良く、より見応えあるものに変化した。

本作だけでは、この世界の謎も事件も解決はしていない。しかし、後章への前振りとして、最後の引きを考えても申し分がなかった。初見であれば、この後、どうなるの?という期待にワクワクする。現段階で最終的な評価はできないものの、前章でこのクオリティなら、後章にも期待をすることはできる。

また主演の二人を今を席巻するYOASOBI・幾田りらさんとあのさんが担当しているが、流行りの人間を当てこんだ雑さはなかった。寧ろ、おんたんである中川 凰蘭の奇妙さを、あのさんの声で再現できていた。地味に過去と現在で演じ分けしていたのには、驚きました。

初見でも、原作ファンでもお勧めできるエンタメ作品になっていました。原作通りなら、後章の方がアクションであったり、驚きの人間ドラマをするはずなので、楽しみにしています。
ゼロ

ゼロ