ゼロ

マイ・ブロークン・マリコのゼロのレビュー・感想・評価

マイ・ブロークン・マリコ(2022年製作の映画)
3.0
勝手に逝った、あんたのために。

平庫ワカさんによる同名漫画を実写化したもの。タイトルになっているマリコ役を奈緒さんが演じ、主演のトモヨ役を永野芽郁さんが演じています。

物語としては、TVのニュースで親友・イカガワマリコが亡くなったことを知るシイノトモヨ。マリコは父親から長年にわたって虐待を受けていた。シイノはせめて親友の遺骨だけは救い出そうと、懐にドスを忍ばせ、刺し違える覚悟でマリコの実家へ向かい、遺骨を強奪し、マリコが行きたがっていた岬を目指すのだった…というもの。

劇中で登場するマリコは、シイノの記憶です。彼女は家庭環境もあり、情緒不安定な女性として描かれています。自分のことを殴りつける彼氏の元に平気で行くし、シイノを失うくらいなら…とリストカットを平気でします。その面倒くさい女性を奈緒さんがナチュラルに演じられおり、妙な生々しさを感じました。

シイノは、作中ずっとやさぐれていて、煙草に、酒に、自殺未遂だと不安定になっていました。友人が失ってから気付いたのもあるかもしれないし、ブラック企業で働き続け、疲れていたのかもしれない。

上映時間が85分と短いのもあり、共依存の女性が、相方を亡くした時の悲しみを妄想と現実を織り交ぜて、ストレートに描いていたのでわかりやすかった。2人の演技力もあった。

マキオが登場するとテンポが悪くなっていた印象があったので、60分程度に短くなったら、もっと良かった気はする。しかし、映画としては、短すぎるので、ここが限界か。
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