なべちゃん

映画 聲の形のなべちゃんのレビュー・感想・評価

映画 聲の形(2016年製作の映画)
4.3
なんて傷つきやすくて繊細でいとおしい子達なんだろう。

二時間が三時間ぐらいに感じられました。皆が少しでも幸せになってハッピーエンドで終わって欲しいと思いながら見続けました。

小学校パートでは、耳が聞こえない子がいるという事実をクラスメートたちはどう扱えばいいか分からず拒否反応を起こしてしまいます。ずっと下を向いていて子どもと目を合わせませんが、教師も難しい立場だと思います。耳が聞こえないからと言って特別扱いすると他の子どもは嫉妬をするし、また、障害がない子どもたちが少しも問題を抱えていないのかというとそんなこともありません。誰かがすごく悪いのでもありません。

高校生になったら彼らも自分のことをわかってくれる友達や、一緒に遊んでくれる友人が欲しくなりました。でも、何もかも自分のせいだと思っていつも謝ったり、思っていることを全部言って白黒つけないと気がすまなかったり、自分かわいさに自分を守ることで精一杯だったりするので、上手く関われるシーンは少しだけで互いも自分も傷つけてしまいます。でも、成長するためには互いが必要なんですよね。本当は皆、青春したいのです。自分や他人を傷つけたくない思いからうまく付き合えない彼らを見ていて切なくなります。

作者はきっとどの立場からかは分かりませんがいじめを経験したんだと思います。顔に×がついた描写は人間関係のシビアな学校生活そのものです。10代の苦しい頃思い出しますね。
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