えむえすぷらす

ぼくは明日、昨日のきみとデートするのえむえすぷらすのレビュー・感想・評価

3.9
2018年2月11日京都みなみ会館イベント上映で見ました。
冒頭は主人公のモノローグで始まり、ヒロインの言動のおかしさや強調される日付、時計と月齢から早い段階で世界の謎が解説されるので、そういう面白さを求める人には向いてない。
本作がテーマにしているのはその後の二人らしい。

物理法則設定は杜撰。月の公転周期は27.3日。フィクションで月を出すと月齢と時刻の密接な関係は分かってるはずなので30日にしたのは確信犯でしょうけどいい加減だなあとは思ってしまった。
また会える時が決まっている仕掛けも詰め切れてない。そうなった時にどう思うのだろうか観客に考えさせるように仕向ける構造になっている。その点は成功しているのだろう、多分。

京都ロケ主体で撮られており春閉館が決まっている京都みなみ会館のシーンも1カット入っている。館長いわく「閉館までにやりたかった映画」だったとか。実際、叡電や鴨川デルタなど京都らしい町並みがこれでもかと出てくる作品でもある。

もっと普通の京都舞台の恋愛小説原作で撮った方がもっと生きた映画なのではないか。その点を惜しむ。