hikarouch

シング・ストリート 未来へのうたのhikarouchのレビュー・感想・評価

3.9
この監督は、本当に音楽、というかバンドが好きなんだなーと。
一つ一つのパートが重なっていき、ひとつの音楽になるという奇跡に、惚れ込んでいるのがよくわかる。
演出でもわざとそういうシーンをいれていたり(Begin Againにもあった)。

お話では、エンドロールに、”For brothers everywhere"と出てきたように、やはり兄貴にやられてしまった。自分も2人兄弟の兄というのもあり。
(おそらくは)才能に恵まれず、夢を諦めた兄の、才能を持った弟への言動に胸が熱くなった。持たざる者の美しさよ。

ちょっとバンドとして簡単にうまく行き過ぎというか、演奏や作曲がいとも容易くみえるのが、気になったっちゃなった。
など、細かいところはいろいろとツッコミどころもあるんだけど、まあそれが作品全体の質を毀損しない範囲だったかな。

80年代のUKのシーンはリアルタイム世代ではないけど、子供のときにみた父親のCDラックにあったアルバムたちを思い出したりした。
そんなSing Streetの曲は、Phoenixの曲調にも似たものがあり、とても好み。

その他、登場人物の中ではEamon(メガネくん)が最高。登場から最高。
笑えるし、いいやつだし、無口だし。

ConorのオヤジがGame Of Thronesのあいつで吹いた。
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