カツマ

グリーンルームのカツマのレビュー・感想・評価

グリーンルーム(2015年製作の映画)
3.6
前半と後半で全く違う映画になってしまうクローズドサークル系のバイオレンスムービー!パニックの第一段階、逃亡の第二段階、そして捨て身の第三段階と、主人公側の心理が凶悪な方向に向かっていくのがこの映画最大のカオス。パンクバンドの名前が多数登場。ネオナチ集団の前でデッケネをぶちかますあたり、完全にイかれてるとしか思えないが、この映画の世界観とブチ切れ具合を象徴する選曲でもあった。監督は『ブルーリベンジ』のジェレミーソウルニエ。この監督とアントンイェルチンとの再タッグを見れないのが本当に残念だ。

パンクバンドのエイントライツはバンを運転し、小さなライブハウスを巡るツアーで何とか音楽活動を続けている。泥まみれのハードコアパンクをブチかましながら、彼らは自らのパンク精神に添ってライブを続けていた。そんな彼らの新たなライブ会場はネオナチ集団の巣窟だった。ライブ後の楽屋にて偶然にも殺人を目撃してしまったバンドメンバー達は何とか知恵を絞り楽屋からの脱出を試みようとするのだが・・。

無人島に連れて行きたいバンド、というのが一つのテーマとしてあり、この映画は最後までパンク精神を貫いた。MisfitsかStray Catsかと言ったら間違いなくMisfitsを選ぶような連中だし、そもそもFUGAZIのステッカーを貼ってる時点でニヤリ。オタク臭をプンプン感じさせ、バイオレンスにしてもタランティーノあたりに通じる様式美的な残酷描写は妙にオシャレで、この監督のセンスと拘りを十分に感じることができる作品でした。
カツマ

カツマ