エイガスキー

パワーレンジャーのエイガスキーのネタバレレビュー・内容・結末

パワーレンジャー(2017年製作の映画)
1.0

このレビューはネタバレを含みます

ここ最近無かった、かなりのレベルの「予告詐欺」に、開幕で膝から崩れ落ちた。
戦隊モノに期待していること、予告のシーンはラスト30分のみ。それまでは愚にもつかないクソみたいな青春ジュブナイル(個人の感想です)を見させられる。
普通の青春ジュブナイルならまだ、まだ許せる。
が、気持ち悪いほどの仲間第一主義、強制団結にイライラし、そのくせあっさり仲間を見捨ててからの演出に全身の力が抜ける。

ネタバレですが具体的に言うと、仲間の団結力を高めるために懺悔大会が開かれる。そこでピンクがレッドに自分がいかに友人に酷いことをしたのか語るが、レッドはそれを「君のしたことは酷いが、君自身は酷い人では無い」的なことを言って肯定する。そんな肯定の仕方ある?怪人にも同じ事言うの?
また、ブルーが敵に水に落とされ溺れる。それを仲間が助け出すまでは良いんだが、その後蘇生措置、例えば人工呼吸や心臓マッサージ等を何もやらずにただオロオロしているだけ。挙句「彼は、死んだ」。アメリカじゃ車の免許取るときにそういうことを教わらないんだろうか?さらに最悪なのはその後で、死んだブルーをキリストよろしく4人が頭上へ掲げあげ、BGMは「スタンド・バイ・ミー」。個人的にこの演出には怒りを通り越して目眩がした。ダサいし安直。本気で泣かそうとしてやってるならセンスを疑うし、ジョークでやってるとしたらタチが悪い。久々に嫌悪感溢れるシーンを見させられた。
ちなみにブルーは黒人で自閉症気味である。
主役の5人は白人、黒人、東洋人、アメフトのスーパースターから自閉症、性同一性障害と本当に多種多様だった。昨今こうした登場人物の多様性が著しい。悪いことでは無いし、アメリカが多様性を重んじていることもわかる。が、ここまであからさまだと不自然だし萎える。

それらを乗り越え、やっと最後の30分で期待していた戦いが始まる。戦場が採掘場だったり、ロボや巨大化した怪人の股下をくぐるようなカメラワークだったりが、日本の戦隊モノをちゃんと見てリスペクトしていることが伝わってくる。最後の最後でまだ愚にもつかないクソみたいな青春ジュブナイル(個人の感想です)をやってるが、ここまでくるとどうでもよくなる。

戦隊モノ、予告のシーンを期待していたのでここまで酷評になりました。