彼はいつも情熱と一貫したスタイルを持って映画に挑んでいるはずである。しかし、いずれもまったくの押し付けがましさがなく、むしろ素っ気ない。
特にこの作品なんかも"感覚的な人間"だということがよく分かるものだった。
例えば、
自然という大きな概念はいくつものパート(滝、水煙、木々、山、川、滝、水煙のようなサイクル)の関係性を持ってして、その連帯を引き起こす。
それにも関わらず、多くのヒューマンビーイングスは瞬間的な"あ、風が気持ちいい"という落胆した感覚、ただ風だけを感じていられるエモーションはあるはずである。
つまり、本当はとても偉大で強いにも関わらず、風を受けるだけで気持ちいい、この作品はそんな感覚に似ていると感ぜられた。とても自然。ナチュラルで、奥深い。映画だって感覚で良いのだと思える。