ぬーたん

ジェイソン・ボーンのぬーたんのレビュー・感想・評価

ジェイソン・ボーン(2016年製作の映画)
3.0
2002年『ボーン・アイデンティティー』2004年『ボーン・スプレマシー』2007年『ボーン・アルティメイタム』と3作で終結したはずのボーンシリーズ。いや、終結して欲しかった、大好きなシリーズだから。
特に3作目の終わり方が好きだし、綺麗な3部作となるはずだった。
続編と言うと面白くなくなっていくのが常だが、このシリーズは3作目が一番良かったと思った稀有なシリーズ。
その後に2012年『ボーン・レガシー』があるが、これはスピンオフで主役はアーロン・クロス。ジェレミー・レナが演じた。これはこれでまあまあの出来だったと思う。
そして何を考えたか、この『ジェイソン・ボーン』を作っちゃった。
がっかりするのは予想出来たので映画館では観なかったけど、遂にBSに登場したので、観ましたとも!
ジェイソン・ボーンはもち、マット・デイモン。
前作から9年経って、マットも45歳くらい。
さすがに中年の感じで、老けましたな(;'∀')
下を向いてグッとカメラを睨みつける表情は皺も深く、あらま、ジャック・ニコルソンにも見えたりして。
鍛えた体も相手の方がもっと逞しく、ちょっと見劣りしたりして。
今回の悪役のCIA長官はトミー・リー・ジョーンズ。
こちらも御年70歳だし。深い皺は益々深くなっています。
ひょうきんなCMも面白いが、憎たらしい役も上手い。
若さも必要ってことで、ヒロイン・ヘザーをアリシア・ヴィキャンデル。
最近大活躍の彼女、20代なのにしっかりした演技。
ハスキーな声と力強い瞳がお気に入りです。
ただこの重要な職に就くにはあまりにも若くて不自然な気もするが、アメリカならではの実力主義と大抜擢という感じか。
作戦員をヴァンセン・カッセル。
フランスの俳優で、鋭い顔なのに何だかお洒落感も漂う。
187㎝の長身でスリム。
50歳とは思えぬ若さもありながら、重みもある。
そして、ニッキーをジュリア・スタイルズ。
ボーンシリーズになくてはならない存在。
その扱いにはかなりガッカリだわ。

今作のボーン、何だかキレがない。
年のせいというのもあるが、ワクワクハラハラの見せ場が少ない。
ボーンの表情は常に暗いし、ストーリーは淡々として内容がなく、ただ逃げる・追うの連続。
カーチェイスは迫力はあるが、特に際立ったものはなく平凡。
ただ、ボーンが出ているということで、飽きることはなく、案外楽しめたのは確か。
また続編が?
止めようよ、もう。
でも多分また観るなあ。
そしてそういう人が居る限り作っちゃうのがハリウッド。
がっかりと言いながら、今作を観た後で、3部作を再鑑賞したくなった。
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