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ゴッホ~最期の手紙~のごてふのレビュー・感想・評価

ゴッホ~最期の手紙~(2017年製作の映画)
3.6
先週末オープンしたばかりのTOHOシネマズ上野にて。ポーランド=英国合作、異色のアニメーションにキャパ103の小屋は9割以上埋まり盛況。実写をアニメ化するロストスコープは以前からあるが、それをゴッホタッチの油絵でやろうという着眼点が斬新。そのアナログの膨大な労力は想像に難くない。芸術的見地よりは圧倒的な職人技と映像技術の融合に感心かんしん。ゴッホを扱った過去作ではヴィンセント・ミネリ監督、カーク・ダグラス主演の≪炎の人≫がまず思い浮かぶ。ゴーギャンをアンソニー・クインが演じて確かオスカーを獲っている。カラスの飛ぶ麦畑で自死するシーンが印象的でありました。本作はその死因に迫るサスペンス的な要素もあり。後に神格化された不遇な画家の活動期間は実質10年、享年は37。最大の理解者で生活を支えた実弟テオも兄を追って半年後に33歳で非業の死を遂げている。兄弟の確執が謎を解くひとつのカギとなって描かれる。映画は色々なことを教えてくれる。
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