｢私たちは絵によってしか語れない｡
心の中で握手を、あなたに｡｣
冒頭のスクリーンに表れたメッセージにはやくも名作の予感がしていました！
心の中で彼らの手をしっかりと握り返して、まるで夢のような時間を過ごしてきました。
ゴッホの比較的平面的な絵が、驚くほどスクリーンに映えて美しかったです。そして、特筆すべきは幾人もの登場人物たち！この一瞬のまばたきに何千時間が費やされたのだろう、そんなことを考えてしまうくらい、微笑み、笑い、眉を潜め、話し、怒り、微睡み･･･全ての動き、感情が生き生きと描かれていて、本当に、彼らはそこで一人の人間として生きていました。名優揃いの声の演技も彼らの存在に奥行きをあたえていました。吹替えも観たくなってしまいますよ！！
物語はというと
主人公の青年がゴッホ兄弟の手紙の配達人であった父から、フィンセントの死後に見つかった手紙を託されるところから展開していくのですが、ゴッホの人生を振り返りながらその謎に満ちた死の真相を探る、というミステリー要素をも含んでいて、ストーリーそのものの構成も素晴らしかったと思います。
ゴッホの油絵が、100人を超える画家たちの圧倒的な手作業の集積に支えられたアニメーションよって、新しい、映画という形で私たちの世界に残ってゆく。そう思うと、観終わった今でも言葉に出来ないほどの感動をおぼえてしまいます。
ゴッホの絵が動き出す、それだけじゃないんだよと友達にも熱く語っておすすめしたいです。
本当に、本当に観てよかった！！
