ゆきやま

リトル・マーメイドのゆきやまのネタバレレビュー・内容・結末

リトル・マーメイド(2023年製作の映画)
3.8

このレビューはネタバレを含みます

(いつもより、めちゃくちゃ語っている)

そもそも、最近の実写化が肯定派と否定派の地獄絵図になっていて、当分、実写化しないでほしいなと思っているこの頃。オリジナルで頑張ってくれ、ディズニー。

そのうえで、アニメ原作『リトル・マーメイド』が好きな私として、リトルマーメイドはやっぱり面白いし素敵な作品だなあと思わせてくれる完成度では、ありました。

今の時代に合わせた歌詞の変更だったり、シーンのカット、付け足しはありましたが、個人的には良い改変だったと思います(オープニングで本当の原作『人魚姫』を引用してくるのは神)

上映前からアリエルの実写としての肌の色やセバスチャン等のリアル描写などで、界隈では肯定派と批判派で、かなりやりあってまして、個人的には原作アニメのアリエルが好きだったので、その時点で、かなり悲しくなってしまい「争うなら実写化しないでくれ……」と、悲しい気持ちであまり期待せず観に来たのですが、アリエルやお姉さんたち、セバスチャンのビジュアルは、ほぼ開始数分で見慣れました。

(お姉さんに関しては、アベンジャーズかと言われるほどの多種多様なビジュアルでしたが、ほぼ本編で活躍しなかったので、気にならなかった+それなら、そこまで多種多様にせんでも……とはじゃっかん思いました)

それ以上に、やっぱり『リトル・マーメイド』のストーリーと世界観、音楽は最高やなと、感動する気持ちで満足します。

ハリー・ベイリーのアリエルは、さすがの歌声で感動します。個人的に表情の演技が、あまり私のタイプではなかったので、アニメ板アリエルほど終始「かあ~~~!!ここの表情かわえええ!!!」とはなりませんでしたが、彼女らしい好奇心旺盛で力強いアリエルは、今の時代に合っているんだろうなと思いました。

(逆にいうと、原作アニメのアリエルのチャーミングなところや表情、ビジュアルが本当に大切で大好きな人は、今回の実写化は望んでいなかったんだろうなあと……「この作品を受け入れられないなんて遅れている」という人がいるかもしれないけど、それは差別的な気持ちではなくて、ただ、アニメ版のビジュアルが好きなんだという気持ちも潰さないでほしいなという気持ちです……)

アニメ原作では表現できていなかった、エリック王子の細かい心理描写やエリック王子とアリエルの惹かれ合うシーン、人間と人魚のわかり合うシーン等々、細かく丁寧につくられてて、キチンと扱ってくれたなあという印象です。

(ただ、エリック王子が拾われた子で、本当の血筋じゃないという設定は、結構でかい実写オリジナルなのに、さらっと触れすぎてて、この点はアリエル以上に、ポリコレのためか???と思ったのでややマイナスです。演出するならもっと演出してほしかった)

セバスチャンのキッチン脱走劇場は、アニメ原作でも大好きな楽しいシーンなのですが、まあ実写化したら、かなりグロテスクだったり、それこそ色んな団体から苦情がきそうなので、カットは致し方なしかなと……。

アースラは文句無しの魔女っぷりで、歌声も動きも、なんならカメラワークもアニメ版をリスペクトしていて、大満足……。

アースラを倒すのが、エリック王子ではなく、アリエルという点も、今の時代に合わせたり、元々はアリエルが始めた物語なのだから、アリエルが終わらすという意味では良いのではないでしょうか。かといって、エリック王子がいわゆる「お姫様ポジション」になるのではなく、果敢にアリエルを守ろうとしている姿も良きでした。


お父ちゃんの「1つ問題がある……私が寂しくなるなあ…(うろ覚え)」は、アニメ版同様、号泣なんだよな……。

30周年記念で、アニメ版『リトル・マーメイド』も劇場で観て感動しましたが、また実写版という違う『リトル・マーメイド』も観れて満足でした。

あと、パンフレットの表紙はせめてアニメイラストじゃなくて実写か海の風景にしといて欲しかった……そういうとこやぞ、ディズニージャパン。