ゆきやま

哀れなるものたちのゆきやまのネタバレレビュー・内容・結末

哀れなるものたち(2023年製作の映画)
4.3

このレビューはネタバレを含みます

観終わった後、じっくり自分が人生について深く考えてしまう作品なのでした。

R18というから、どんな酷いグロエロシーンがあるのかと思って観に行った自分を叱りたくなるような、観終わったあとに(まあ確かにモザイクのない裸体などはあったけど、視覚的にR18にせざるを得ないというだけで、内容は本当に人の生き方や成長、世界のことを考えさせられる……)と思わず、深く考えてしまう良作でした。

ゴッドは、完全にマッドサイエンティストやろと思ったら、そういう印象は吹っ飛ぶし、普通に良い父親像だし、マックスも、結局、欲に負けて墜ちるだろうと思いきや、最後まで真っ直ぐな青年だし、めちゃくちゃあったかホームで、めちゃくちゃハッピーエンドやん!ってなりました。

まさに子どもの成長を見続けているような場面も多くて、あんなに好き勝手生きていたベラが、本と出会ったあとから知的に会話や物事を考えられるようになる場面がとくにお気に入り……!

何よりも読書を楽しむ時間がしあわせな瞬間って人生の分岐点になるよね~~

すべてに素直な反応や感想を抱く姿にも好感だし、なによりゴッドふくめたファミリーの愛に、ぐっときました。

ダンカンが、だんだん落ちぶれていくのが、かわいそかわいい。マーク・ラファロだからこそ、チャーミングな部分が魅力的な様子。娼婦館の窓の外を見たら奇声を発して、帰宅難民になってるダンカンとかワロてしまう。