昔この映画を観た時に、ナタリー・ポートマンの顔の輪郭がオードリー・ヘップバーンにそっくりであることに気がついた。
スポットライトのもと白鳥の舞を踊るナタリーの姿にずっとオードリーのイメージがダブって見えていた。
『白鳥の湖』の主役に抜擢されたあるバレリーナが、重圧に押し潰されてやがて精神的に異常をきたす様を描いた官能ホラー作品。
痛い!辛い!エロい!
もうこれ以上、ナタリー・ポートマンをいじめんでくれ~❗と心から思った。
『白鳥の湖』の主役は純真な白鳥と官能的な黒鳥の両方を演じなければならないのだが、生真面目な主人公は黒鳥を表現することができず、もがいていた。
演出家のヴァンサン・カッセルは彼女に「もっと大胆になれ!官能的になれ!セックスにもっと喜びを感じろ!」と叱責し、その反面、同居している高圧的な母親から「品行方正でいなさい!一流のバレリーナになるために欲望を我慢しなさい!」とずっと束縛される始末。
板挟みになったナタリーをさらに追い詰めるのは、彼女の代役をつとめるミラ・クニスだった。
自分とは違って自由奔放な彼女に対して、ナタリーは次第に役を奪われるのではないかと強迫観念にかられるようになる。
そのうち、彼女はドッペルゲンガーや幻想が頻繁に見えるようになってしまい……ついに本番初日を迎えることになる。
何が現実で、何が妄想なのかわからない。ただ確かなのはどちらも彼女を追い詰める存在でしかない。
あとこの映画怖いなぁと思うのは、音。
関節の音、爪を切る音、それら生活音がやけに耳にこびりつく。これだけでもゾーっと背筋に寒気を感じる。
電車内で口でヤラシイ音を出してセクハラするジジイもヤバかったネ。
■映画 DATA==========================
監督:ダーレン・アロノフスキー
脚本:マーク・ヘイマン/アンドレス・ハインツ/ジョン・J・マクローリン
製作:スコット・フランクリン/マイク・メダヴォイ/アーノルド・メッサー/ブライアン・オリヴァー
音楽:クリント・マンセル
撮影:マシュー・リバティーク
公開:2010年12月3日(米)/2011年5月11日(日)