サッカーと映画観るのがすき

美しい星のサッカーと映画観るのがすきのレビュー・感想・評価

美しい星(2017年製作の映画)
3.5
原作未読ですが、あの三島由紀夫作品を相当いじくってますよね?
さすが吉田監督、現代への設定置き換えが見事です。

本作での「宇宙人から観た地球と地球人」の視点でいうと、ボクの場合は水星人に近いかなぁ。
ちょっと刹那的かもしれませんけど、突き詰めてしまえば、人類の存在自体が地球・自然に優しくはないのは明らかなわけで、「Save The Earth」なんてのは、あくまで人類主語な言い分ですわな。
地球に言わせりゃ「じゃああんたら人類、みんな死んでくれよ」じゃないの?みたいなね。
物語としては、すったもんだの末に、「地球を救え!目を覚ませ地球人!」な主張の火星人との問答へ、んでまぁ正解は出せる訳もないのだけども。。。

登場する人物にはおそらくそれぞれに意味があるんだろう。
でもその意味もだいたい「結局みんな自分都合で利他的ではない」ことに集約される気がする。あえて否定的に強調はされず、さり気なく、仕方がなかったように、淡々と物語はすすむけれども。
で、家族でさえも(いや家族なのに、か)、そんなカンジでバラバラだったんだけども、ラストではある目的のために思いをひとつにし、行動する。

家族への思いやり・愛、身近なところにこそ真実の幸せはあるのだよ。。。というメッセージなのかな。

なかなか哲学的で示唆にとんだ、おもしろ・考えさせられる作品でした。