Risa

未来よ こんにちはのRisaのレビュー・感想・評価

未来よ こんにちは(2016年製作の映画)
3.8
見てなかったので今更見ました。

ユペールが哲学の講師。似合います。

夫婦共に哲学の講師、家の壁は本棚で 大量の本が並んでいて、常に花を飾る心のゆとりを感じます。

順風満帆な人生を歩んできた彼女ですが、常に波風が同じ方向から流れてるなんて自然ではない訳です。

巣立っていった子供達、最後まで一緒だと思っていた旦那の浮気からの離婚、可愛い教え子、手のかかる美しい母の死。

離婚後に 持ち帰り忘れたショーペンハウエルの本を取りにくる元旦那とか、物凄くリアルです。
さり気ない2人の会話しかないのに、どれだけお似合いの2人だったことか一目瞭然なんです。ここまでに理解し合える相手を見つけれるなんて幸運なことであったことを 離婚後も感じられるんです。

ここで、他の人の本を取りに来てたんじゃ、ユペールの旦那ではないと思ってしまうのは ユペールだから。一見悟ったような哲学講師でもスモーキーな我が道を行く部分が2人にはあるんです。(きっと。)

50代になり、新たな人生を歩んで下さいと 放り出された時、、というテーマは現代において、とてもリアルな題材。
仕事もあるし、お金には困ってなさそうです。仕事にはやり甲斐を持てているものの、有能な教え子に 自分の考えの小ささを気付かされたりする訳です。

考え抜いて 自分の考えを出すことは出来るものの、哲学講師の彼女にも 予想外のことが次々に起こり、年齢というものも感じるのでしょう。歳を重ねて考えが深まるものもあれば、麻痺して当たり前になっている部分も。
新たな気づきが この歳になって これ程にあるのかと、そんな表情のユペール。

何気に またいつか 観よっかな〜と思えるものでした。
Risa

Risa