「ゲット・アウト」「アス」などの傑作を手掛けるジェイソン・ブラムと、
「SAW」のリー・ワネルがタッグを組んだサイコ・サスペンス映画だからして、
つまらないワケが無い!
と、期待を胸に鑑賞。
天才科学者であり大富豪の恋人 エイドリアンからの、異常なまでの束縛に耐えられず、
ある晩、豪邸からの脱出を計るセシリア。
妹の協力もあり、脱出計画は何とか成功したのだが、セシリアを失った悲しみから、
莫大な遺産を残しエイドリアンが自殺してしまう。
しかし、その後“見えない何か”がセシリアの周りをうろつき、
次第に、彼女の生活や人間関係を脅かしてゆく。
果たして、エイドリアンは生きているのか?
2000年に公開されたポール・バーホーベン監督「インビジブル」では、
天才科学者が開発した薬で透明人間になるワケだが、
今作は光の屈折で透明に見えちゃうスーツということで、なんかもう少ししたら現実に出来そうな技術っぽい。
元々、エイドリアンの異常な束縛に怯えていたセシリアなので、
周囲で奇妙な出来事が起こって「エイドリアンがやってるのよ!」と騒いでも、
世間的には彼は死亡しているわけで、
警察はじめ友人や妹も「ああ、いろいろあったから、心が病んでるのね。」
となってしまう。
彼女を脅かす“見えない何か”を証明しようとするも、
次第に追い詰められてゆくセシリアなのだが・・・
外向けは天才科学者の地位を確立しているエイドリアンだが、
その本性は、粘着ストーカー気質で狡猾な性格を持つ変態野郎である。
そんなヤツが透明人間になって自分の周りにウロついてたら気狂うよな。
ヤツがどこにいるのかわからないドキドキ感と、
恐怖に苛まれてホントに頭がおかしくなっちゃったみたいなセシリアの表情で、
先が読めない展開が秀逸。
それにしても、エリザベス・モスってその素晴らしい演技力は評価してるし、
嫌いな女優さんではないんだけど、美人かと聞かれればビミョーだと思うし、
体型も何だかモッサリしてるし、男がそんな執着するかなぁ~。
と、本筋とは関係のないところで疑問符。
「なぜ、私なの?あなたの恋人になりたい女性は他にいくらでもいるでしょう?」
そう、自分が聞きたかったのはそれ。
あれかなぁ~、知的な性格とか嗜虐心をそそる顔とか、そーゆーコトかなぁ。
社会的地位も金もあって、まあまあイケメンだし、それこそ言い寄る女性が後をたたないと思うのだが、
あくまでもセシリアただ一人に執着するとこに、そこはかとない異常性を感じる。
それはそれとして、ドキドキハラハラ、心拍数上がる期待を裏切らない映画でした。