やまぞう

星の子のやまぞうのレビュー・感想・評価

星の子(2020年製作の映画)
3.0
怪しげな宗教にディープにハマった両親の元で育った少女ちひろ。
愛情たっぷりに育てられ、お父さんとお母さんの事が大好きなちひろだったが、
中学3年生となり、次第に宗教を妄信する家庭環境に疑問を持ち始める・・・

未熟児で生まれ、常に体調が悪く、全身にひどい湿疹が出来て泣き叫ぶ我が子に心を痛め、
病院に通っても病状は改善せず、なす術の無い状況下で
「この宇宙の力を取り込んだお水で治りますよ」と勧められ、
実際に使ってみたら、みるみるうちに湿疹が治ってゆき、病状が改善されたとしたら、
妄信してしまう気持ちも理解できなくはない。

普通に考えれば、おそらく成長するにつれ免疫機能が出来てきて、自然に治っただけなんだと思うけど、
悲しみや絶望の中で道を見失った人が、無二の光明として見出すものの一つが“宗教”である。

我が国では憲法で宗教の自由が認められており、また、自分を含めて無信仰・無宗教な人も多いと思う。
個人的には、他人をしつこく勧誘したり、怪しい物品を売りつけたり、反社会的な危険思想でテロおこしたり、
病気が治るとか全く医学的根拠が無いのに世間に広めて金儲けするような輩でなければ、
他人が何を信じ、信仰しようと個人の自由であって、知ったこっちゃないと思う。
…まぁ、自分の両親が怪しげな宗教にハマってたら、そりゃ嫌だけど。

しかしながら、ちひろの場合は物心ついた時からそーゆー環境だもんで、
両親が「金星の水」で浸したタオルを頭に乗っけて過ごしているのもデフォルトだし、
家中が怪しげなマークが入った物品だらけなのもデフォルトなのである。
それでも、優しくて愛情深い家族と幸せに暮らせるのなら、それはそれでイイんじゃん?
っと一瞬、思ったものの、
ちひろが幼児~小学生まで暮らしていた瀟洒な一軒家から、中学3年生の現在はボロい平屋に住んでいる状況である。
思いっきり寝食潰しとるやん!家計がひっ迫しとるやん!!貧乏になっとるやんっ!!!
と、ツッコまずにはいられなかった。。。

大好きな両親と思春期の乙女ゴコロの狭間で揺れる少女ちひろを、久々の映画出演の芦田愛菜ちゃんが好演。
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