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インディ・ジョーンズと運命のダイヤルのモモモのレビュー・感想・評価

3.9
ジェームズ・マンゴールドにバトンタッチされた「インディ・ジョーンズ」最新作は同監督作「ローガン」に通じる「老いの映画」でした。
神秘の力に匹敵する「核兵器」を目の当たりにし「今度は自分が親父」な前作を更新する「シリーズ最終作」で何を描くんだ…?との疑問には確かな答えを用意している一作。
「考古学者」が辿る最後の旅路としては、これは確かにパーフェクトアンサーかもしれないですね。
違和感が限りなく存在しない若返りハリソン・フォードで始まる今作。
ナチスてめぇこの野郎!なドッタンバッタン大騒ぎアクションに「インディ・ジョーンズ」を確かに感じた。
長い導入を経て物語は「老いの物語」へ。
今のハリソン・フォードが演じる意味を最も見出してくれた「老いた半裸」が居た堪れなく、寂しく、誇りにも感じる。
かつてのインディと言えば講義に女子生徒が殺到するアイドル教授であったわけだが、隣人の若者からはジジィ扱いされ、生徒たちは講義に興味を示さず、職場の人間は優しいが偏屈な男には居心地が悪い。
人類が宇宙に進出した時代には、もうインディの居場所はないのかもしれない。
息子と妻がいるじゃないか!な前作の要素は余りにも悲惨な未来として本作にも残り続ける。
シャイアを再出演させれないから、そういう設定にしたんじゃないの!と言いたい気持ちもあるが、この設定が「ジェームズ・マンゴールド作品」としての旨味を増してくれたのも確か。
今回のオーパーツアイテムは「最終作で…運命のダイヤル…もしかして…」と事前に予想は出来ていたが、前述した旨味と絡み合って予想が当たった事なんて鑑賞中は忘れてしまいましたね。
あのインディ・ジョーンズですら過去への後悔と喪失を抱え、老いた先で孤独を募らせ生き甲斐を失っている。
かつての「インディとショート・ラウンド」を彷彿とさせるコンビは圧倒的に魅力的で、金に執着する女性版(&闇堕ち)インディとの擬似親子関係でも後悔と現実への失望は晴れない。
それでも人生は続く。
喪失を抱えて生きていくしかない。
物語の最後、インディは諦めと憧れが混ざった選択を望むが、うるせぇ馬鹿まだ人生を続けろと、強制的なコンティニューにぶち込まれる。
この勢いと言うか、顛末は完璧ですね。
いい終わり方、いいキャラクターの着地点でした。
映画が始まってからやたら殴られる、ぶっ飛ばされるマッツ・ミケルセンが最高でしたし
マッツ並みにやたらボコボコにされるボイド・ホルブルックもかなりのポンコツで可愛くて良かったですね。死の間際、マッツを見つめる忠犬振りが最高です。
三つ巴になったり、車を乗ったり降りたり奪ったり、とにかく慌ただしいアクション構成に「なんか懐かしいアクション映画を観てる気持ちだな」とノスタルジーを満たされました。
「ナチスてめぇこの野郎!!」と言う映画を求めている人は必見です。
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