このレビューはネタバレを含みます
この映画はミステリーだが、トリックや真実に、大して重点を置いてない。
謎解きなんて二の次。
ていうか謎そのものはしょうもない。
この映画の愉しみは、物語を通して変化していくミカエルとリスベットの関係性を追うこと。
リスベットがとにかく乙女。
好きな男の子を邪険に扱ってしまうような恋に不馴れな態度とか。
でも一度好きな男に受け入れられたら、もう彼の事しか目に入らず、彼のためにしか動けないとことか。
ベッドで「もっと触って」のくだりなんてもう、ドラゴンタトゥーの女デレデレ。
頭にトサカ生えてても乙女。
とりつく島もない言動とトリッキーな見た目のせいで、一見、狂人のような印象を与えてしまうけど、普通の感性も持ってる女の子です、リスベット。
そんなわけで全体的な印象は、エッジ効かせすぎた少女漫画という感じで、そのアンバランスさが面白い。
圧倒的強者であるリスベットを恋の力で従える一般人弱者のミカエルという構図も楽しい。
ミカエルのピンチに颯爽と現れ、敵をコテンパンに片付けてくれるシーンなんて、普通逆でしょ、男が女助けるでしょ?
でも、二人の関係はこれが完成形。
犯人が逃走した時、「殺しても良い?」っていちいちミカエルに指示仰ぐリスベット可愛い。
でも、そんな乙女なリスベットだから、大人な恋愛観で生きてるミカエルとの恋は苦い結末を迎えてしまうけれど。
小さく傷付いたリスベットの表情と、バイクに股がって走り去る姿が深い余韻を残す。
なんか溜息出るエンディング。。