ぬーたん

エル ELLEのぬーたんのレビュー・感想・評価

エル ELLE(2016年製作の映画)
3.8
評価低めだし難解フランス映画だし、ちょっと観たらいきなりいやーな出だしだし…。もうやめとこうかなと思ったけど、そのいやーな出だしのレイプシーンからの出前は『ハマチ』でびっくらこいて続きを観た。何だか凄い作品。色んな意味で!
ミシェルにイザベル・ユペール。現在67歳。この当時は63歳!役は”39年前に10歳”という説明からして49歳の役よ。14歳も若い役で、裸もレイプもあり、とても信じられないほど若く見える。胸も形良い。整形かな~と思わず。キャスティングした方も凄いけど、このイザベルさん、この役でアカデミー賞主演女優賞にノミネートされた。そして、最終的に、この役自体を超えた、多分監督の期待も超えた、やり過ぎな位、恐ろしい女性をリアルに演じている。アッパレ👏
このミシェルはゲーム会社の社長。一人息子も元夫も母親も会社の社員たちにも、みんなに突っかかる。金銭的にも精神的にも支配していて、そのくせそれほど彼らや仕事に執着はしない。この執着しない、ということは愛の重さなのかプライドなのかよく分からないが、過去に関係しているようだ。その過去がまた恐ろしく謎めいている。十分なお金はあるし、男は居るし、自由で、そして変態!😅この女性に全く感情移入出来ないどころか、おかしいんじゃない?と思ってその先の行動が読めない。そしてその上を行くとんでもない行動をする、ぶっ飛んでいるのだ。
先ずはレイプされても通報しない、寿司の出前をとり普通に食べる出だしから驚くが、そんなことは序の口だった。でも、なんだろう?このミシェル、一貫してるし、執着しないでサバサバしてるし、ちょっと憧れる。やっぱり綺麗で金持ちだから強く居られるのかも。お洒落で高級そうな服で颯爽と歩く姿は、パリの街にもぴったりで素敵。
周囲の登場人物もかなりおかしいヤツばかりで、取り上げたいところだが、この主人公が完全に食ってしまってるため、紹介なしで。
監督はポール・バーホーベン。現在81歳。なかなか勇気あるお爺さん監督だね。第二次世界大戦では恐ろしい光景を目の当りにしたらしい。同じオランダ人の俳優ルトガー・ハウアーとの出会いで彼が作品の常連となった。
ラストはすさまじく、忘れられない作品だ。これはスリラーでホラーで、強い女の物語。結構、好き。
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