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Superstar: The Karen Carpenter Story(原題)のKSatのレビュー・感想・評価

3.7
カレン・カーペンターの半生と死をカーペンターズの曲にのせて描いた中編映画だが、出演者が全員バービー人形という点が少し変わっている。

ただでさえ出演者が皆、バービー人形であることに加え、時折挟まれる字幕や観念的な実写のモンタージュが、ある種の記号的な効果をもたらしている。しかし、だからといってビデオアート的な映像作品というわけでもなく、ちゃんとしたストーリーのあるひとつの映画としての評価に値する作品である。
絵面は人形劇そのものだが、台詞はいわゆる「吹替え」というにはあまりにリアルで、そのギャップもまた面白い。

超低予算の、完全なる自主制作映画なので、後の「キャロル」や「ベルベット・ゴールドマイン」のような映像美はないし、画質は荒いが、次から次へと変わるカッティングやエモーショナルな音楽の使い方は、確かにヘインズらしいのかも知れない。
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