ベビーパウダー山崎

ボディ・バッグスのベビーパウダー山崎のレビュー・感想・評価

ボディ・バッグス(1993年製作の映画)
3.5
三つのホラーオムニバス。一話二話をジョン・カーペンターが担当して、三話をトビー・フーパー。一話が殺人鬼もの、二話がコメディよりの異性物ホラー、三話がサイコスリラー。三作どれもよく出来ている。俺はキチガイになったマーク・ハミルが鋏で自らの眼をぶっ刺す三話が最高だった。短編撮らせてもその世界観がガッツリ伝わる(刺激的な)のは優れた作家。
合間にはストーリーテラーとしてカーペンターがしゃしゃり出てきて楽しそうにノリノリで演じている。撮る方もうまいが演技もそこそこ出来るのがカーペンター。根が器用なんだな。最後にはフーパー(顔中ヒゲモジャ)まで出てきて全然乗り気じゃなさそうにモジモジ芝居をしているが、これはこれでフーパーの生真面目さが滲み出ていて好きです。フーパーって意外と背が低い。他にもウェス・クレイブン、サム・ライミ、ロジャー・コーマン御大が顔見せ程度に出演していた。
追いかけてくる人物と追われている人物の距離感を的確に表すカーペンターの間違いないキャメラの位置。フーパーは追いかけ回すキチガイの狂気と追われる被害者の恐怖に沿ってキャメラもあちらこちらに動く。