このレビューはネタバレを含みます
特に大きなヤマやオチがあるわけでもない、そのかわり綺麗事一切なしの〝過去を乗り越えられない物語〟がズシンと重く響く。
フツーの映画ならアノ火事について首を突っ込んでくるヤツが出てきそうなものだが、誰もその話には触れない。絶対に触れてはいけないその人のタブーをスルー、っていうのは現実世界ではよく見る光景だけど、映画でそれをやるとは。自分がアカデミー賞の選考委員なら脚本賞あげたいほどのリアリティ。
だから、リーのたった一言、「乗り越えられない」に全てを察して落涙するパトリックに大きな感動を覚える。知ってるけど、触れない(触れられない)だけなんだよなぁ〜
ミシェルウイリアムズが出てるので、彼女が泣かない作品ってないんじゃないか? それほど彼女の泣き姿は印象に残る。忘れられない深い悲しみはそのままでいい。リーに起こった僅かな変化にどれほどの価値があることか。