喜連川風連

ファウンダー ハンバーガー帝国のヒミツの喜連川風連のレビュー・感想・評価

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実質のファウンダー(創業者)だが、本当の創業者ではない。

このテーマに基づき、主人公を成功のためには手段を問わないダークヒーローとして描いている。

とはいえ、他の文献を見るとマクドナルド兄弟にも落ち度があったように書いてあるものもあり、歴史は多面だ。

「レイはマクドナルド兄弟の裏切りに遭います。兄弟はクロック以外の人物にフランチャイズ権を5000ドルで売ってしまったのです。寝耳に水のことで、もちろんクロックは猛然と抗議をしました。しかし、致命的なことに正式な契約書を交わしておらず、兄弟とは口約束だったのです。クロックはフランチャイズ権を取り戻すために、5倍の2万5000ドルを用立てなければなりませんでした」

さらに物語をわかりやすくするために、史実では成功していたミキサー事業を、失敗しつつあるかのように演出している。

「クロックは1902年、米国イリノイ州シカゴ近郊の町オークパークで生まれました。高校中退後、様々な職業を経験し、紙コップのセールスマンとして成功した後に、マルチミキサーの販売会社を経営します。1941年、39歳の時です。

彼が扱ったマルチミキサーは、同時に5種類のミルクシェイクをつくれる優れもので、会社経営は順調でした。冒険などしなくても、順風な人生を送ることができたのです」

何歳からでも新しいことに挑戦してもええんやで!と映画は語るが、それ以前に彼が数多くの成功を納めていたことに留意したい。物語映画なのでわかりやすくチューニングされている。

マクドナルドの本丸は飲食業ではなく、不動産業というところが衝撃。新聞社も鉄道会社も最近は不動産で儲けている。

主人公の執念と他人の目を気にしない行動力は、知人の敏腕営業マンにも見られるところで、世界共通なのかもしれない。

マクドナルドの暗部に光を投射されることを恐れないマクドナルド社の懐の深さに感心した。
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