ぬーたん

ウインド・リバーのぬーたんのレビュー・感想・評価

ウインド・リバー(2017年製作の映画)
3.1
アメリカの”ネイティブ・アメリカン”居住地区での話。
無法状態に近い特殊な地域での犯罪を通して、その恐ろしい実態を見せる。
まさにこれは、トランプ政権の今こそ世間に出したい作品の様な気もした。
冒頭の”事実に基づく話”というテロップで、『オンリー・ザ・ブレイブ』を観た直後だけに、アメリカの知らないどんな事件が?と興味深々だったが、終わってから調べたら、この事件自体は真実ではなかった。
”ネイティブ・アメリカン“での犯罪の扱い方の実態が真実に基づいているということだった。それはラストのテロップで説明される。
これは誤解を生むよね。
まあ、『ファーゴ』のような全くの嘘、ジョークに比べたら許せるけどさ。
ウィンドリバーは保留地の名前。
その名の通り、雪が降り寒い地域で、広大で見渡す限り何もない。
そこに現れる、1人の女性の遺体。
事件が始まる。
真っ白な雪と赤い血はよくあるパターンだが、やはりインパクトがある。
FWS職員ランバート役のジェレミー・レナー。
まあ、人気者でかっこいい主役が多いけど、それほど好きではなかった。
しかし、今作では、今までで一番ピッタリなキャストだった気がする。
というか、彼が居なければこれほど魅力はなかったと思う。
FBI捜査官バナーをエリザベス・オルセン。
主役2人が『アベンジャーズ』でも活躍。
『フルハウス』のオルセン姉妹の妹なのね。そういえば似てる。
今作の役はどこか違和感があった。
若くて綺麗なせいかな?
ジェレミーとの関係もあっさりで物足りない感があった。
そしてショーヨ役のグラハム・グリーン。
『ダンス・ウィズ・ウルブズ』の蹴る鳥ですぞ。
今や66歳。渋くて良かった。
この3人がそれぞれのやり方で捜査を進めるが、無法地帯のような場所、警察だろうが何だろうが簡単に相手からの攻撃を食らうから、もう命がけ。
その展開は、不愉快で、真実でもフィクションでもこういうのはどうなの?って思うとスリラーサスペンスとして意外な展開を期待してた気持ちは萎えた。
でも被害者の父親とジェレミーの2人のシーンが良いの。
言わなくても分かり合える、というか隣にいるだけでいいんだよね、という安心感の空気が流れ、ぐっと来た。
誰も得しない幸せにならない、そんな事件だったのがモヤモヤした。
ただジェレミーの株は上がったよ。
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