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めぐりあう日のakrutmのレビュー・感想・評価

めぐりあう日(2015年製作の映画)
3.5
一人の女性が、家族を犠牲にしてまで自分の実母を探し求める過程で描いた映画。夫や息子をほったらかしにしてまで、実母に会いたいかと思う一方、実際に実母に会ってショックを受けてしまうのも、あまりにも身勝手。しかし、そのような常識では(特に同じ境遇にはない人たちにとっては)考えられないほどの現実離れした行動や振る舞いのエリザを描くことによって、見た人の共感を得たいのではなく、同じ境遇にある人々(監督のウニー・ルコントも)の狂気とも言える実母への渇望を表現しているのでしょう。シュルレアリスムの提唱者であるアンドレ・ブルトンの詩が原題や最後のシーンで使われていることも、そのような思いを強くしてくれます。
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