一夢

ブラー ニュー・ワールド・タワーズの一夢のレビュー・感想・評価

3.3
南部のアートスクール、中流階級出身のBlur側は、バンドの再結成した2010年代以降のドキュメンタリー形式で進む。
武道館のライヴは勿論観に行ったので、当時を思い出して懐かしくも感じた。
「日本に行く予定もあったけれど、何故か中止になってね」
あ、はい。Tokyo Rocksのことですね…。
でも、宣伝がガバガバだったというこのフェスが中止になったお陰で、Blurのスケジュールに穴が開いてスタジオに入って、香港にインスパイアされた曲作りが始まったから、何が吉となるか分からない。

Oasisとは違い、昔の映像が一切出てこないため、メンバー達こんなに老けたのか…。と思わされてしまった。
今でもそこまで劣化していないけれど、若い頃のデーモン・アルバーンは自分の理想のイギリス人だった。
中性的で整った顔立ちで、顔に合わず毒づくけれど、シニカルに富んだブラックなユーモアで…と、自分が好きになる男性は大体そんなタイプ(ただし、上手いこと言ってると錯覚してる人はクソ)。

社交的でバンドの顔であるデーモンに対し、やや内気で音楽オタクの代わりにギターロックとしてのBlurの要の存在であるグレアムが、再結成後のアルバム制作に関して積極的だったという事実が意外だった。
確かにこのドキュメンタリー、デーモンへのインタビューは少ない。
インタビューのカメラにまともに目線を合わせられず、ついつい早口になってしまうグレアムの姿は海外ナードそのものだが、そんな彼だからこそ勇気を振り絞ってみんなを繋ぎ合わせようとしたんだろうな。偉い!!

ライヴ映像は香港とハイドパークからバランス良くピックアップされている。
最新作のMagic & Whipは名盤だと思うし、香港旅行の時は毎日聴いていたので、旅立つ予定の人にはおすすめ。
どこかボウイらしさを感じるLonsome Streetと、トロピカルで切ないGhost Shipが大好き!!
ライヴの映像では、Oasisみたいに和訳を載せてくれると最高だったんだけどな…。
Always should be someone you really love !!
一夢

一夢