tanayuki

最後の追跡のtanayukiのネタバレレビュー・内容・結末

最後の追跡(2016年製作の映画)
3.8

このレビューはネタバレを含みます

親殺しの過去をもつ根っからの銀行強盗の兄タナーと、訳ありの弟トビー。対するは、引退間近でクチの悪いロートル・テキサスレンジャーのマーカスと、ネイティブアメリカンとメキシコ人の血を引く相棒アルベルト。リーマンショックで銀行に住む家を追い出されたのは、サブプライムローンで返せる額以上の借金を押し付けられ、翻弄された貧しい人たち。ローン会社の看板があちこちに建ち、活気をなくしたテキサスの乾いた大地に、草原の支配者となったタナーのライフルの咆哮が鳴り響く。

自分の家を奪おうとする銀行を襲って、その金で借金を返すのは、正義とはいえない。たとえそれが自分のためではなく、貧困の連鎖から自分の子どもを救い出そうとする無私のおこないであっても。ただ、それが正義に見えて、人々の共感を得てしまうところに、破綻前の金融狂乱の異常さが透けて見える。

△2021/09/11 ネトフリ鑑賞。スコア3.8
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