CHACO

ブレードランナー 2049のCHACOのレビュー・感想・評価

ブレードランナー 2049(2017年製作の映画)
4.1
【ハリウッドが贈るカルト作を下敷きにしたセカイ系】


名作「ブレードランナー」が描き出した2019年に
遂に時代が追いついてしまった。

歌舞伎町に行けば、ブレランの匂いを感じられるかというと
まだそんなこともなく。
車はまだ地べたを走っていて時折暴走するし
VRを見るにはヘッドセットが必要だ。

あんなに荒廃した世界で生きたいかと言われれば
正直ヤダなと思ったりするが、
あの世界観が心の奥底の「男子」部分を
激烈にくすぐるのは否めない。


本作「2049」は非常に切ない。
所々でウルっと涙腺を刺激され、
この涙は本物だろうか。
僕もレプリカントだろうか。
などと
頭の片隅で思わなかったと言えば嘘になる。


僕は個人的に本作はセカイ系映画だと思っている。
うるさ型ブレードランナーファンの方からすると何言ってんだ
と言われても仕方ないし、それも構わないのだが

・世界には僕と君だけ。君となら何だって乗り越えられる
・俺が選ばれし者…?!受け止めきれないぜこの気持ち…
・ちくしょう!俺の!俺の最愛の君をををををを!
・うああああ!俺じゃなかったとしてもぉおおお!俺がぁああああ!救うッッッ!


みたいな。


非常に限定された登場人物たちが繰り広げる
地球上の常識を覆してしまう出来事に対して、主人公が立ち向かう、そういう構図。


だからこそ、これは人を選ぶ。
僕と君、そしてセカイ。
という世界観やストーリーに
ハマれるかハマれないかで評価が分かれてしまうのだろう。
(アクション下手とか、話がダラい、などは別の話として…)


結果、僕はハマって、もの凄く好きです。笑
SWやMARVELに、例えばちょっと疲れてきたタイミングで
きっとまたブレードランナーに戻ってくると思うのです。


夢の2019年とは実際ほど遠いけれど、
それで良いのかもしれない。
CHACO

CHACO