ぬーたん

愛を綴る女のぬーたんのレビュー・感想・評価

愛を綴る女(2016年製作の映画)
4.8
久々に衝撃的作品に出会えた。
大好き。
邦題タイトルが安っぽくて残念。
主演マリオン・コティヤールのヌードを話題にしたとかも含めて残念。
マリヤンの役に入った演技は素晴らしく、その体も美しいが、しかし映画が良いので脱いでもどうでも良かったわ。
むしろ、過激なシーンがあるから、人にも勧めにくくなってしまっているのが損してる気もする。
原作は『祖母の手帖』孫の視点から描いたものかな?
フランス映画らしい、複雑でわかりにくい人物描写とストーリーに最初はちょっと馴染めなかった。
マリヤン演じるガブリエルという女性は、精神的に問題あって、その突飛な言動に周囲の人間が振り回される。
それを観ている私も振り回され、面白くないかも?と思ったが…。
中盤からの展開には驚く、マイナスを取返し大きくプラスに持って行ったわ。
その夫ジョゼにアレックス・ブレンデミュール。
役同様、スペイン人。
季節労働者の役で何処にでも居そうな普通の感じ。
寡黙だが、その感情を静かに表して上手な俳優だ。
このガブリエルとのやりとりの中で、だんだんとこのジョゼが好きになる。
いつしか、ジョゼ応援団に仲間入り!
もう一人の男、アンドレをルイ・ガレル。
こちらはパリっ子らしい繊細な雰囲気。
大柄ながら、病気の役にぴったりの暗く色白。
ピアノの音色が良い。曲が素敵。
この女性の情熱、様々な愛の形、そしてミステリーもあり、フランスの美しい景色と音楽と上手く融合されている。
別世界のまさに映画の醍醐味とも言える、別の人生を体験できるような、そんな素敵な時間だった。
2時間、画面に吸い寄せられ、最後にため息が漏れた。
ジョゼのセリフに完敗。
そしてラストシーンも素晴らしい。
泣けた。感動の作品。
ぬーたん

ぬーたん