ぴのした

お嬢さんのぴのしたのレビュー・感想・評価

お嬢さん(2016年製作の映画)
4.3
やばい!!!!!やばすぎるよ韓国映画!息もつかせぬ2時間半の間、あなたは何度も騙される。豪華な屋敷を舞台に完成されすぎた構図、むちゃくちゃエロい濡れ場(女性同士)、迫力ある演技。すごすぎる映画。

舞台は日本の植民地時代の朝鮮。没落貴族の若い娘の財産を狙い、侍女になりすました女と、伯爵になりすました男の2人の詐欺師が貴族の娘に近づこうとする。この3人の騙し騙される様を3部構成に分けて巧妙に描く。

第1部は侍女の目線から、第2部は貴族の娘の目線から同じストーリーを描くのだが、2部に入った途端、思っていたのとは全く違う物語の全体像が見えてくる。しかもそれにとどまらず3部に入る頃にはまたどんでん返しがあり、本当に息つく暇がない。

この3部構成という作りもそうだし、華やかな屋敷の中で繰り広げられる愛憎喜劇っていうテーマもなんだか劇場演劇のオマージュっぽい匂いがする。劇中のエロ本朗読シーンで、本の中にジュリエットという名前が出てくるのもなんだかシェイクスピアを意識しているようにも感じた。絶対これ舞台で観ても面白い作品だと思うんだよな。濡れ場はちょっと無理やけど笑

構図も凄まじくて、上下左右に無駄な部分が一切ない。風呂場のシーンなどフェルメールの絵画すら思わせる。それが豪華な部屋の内装と相まってさらに見栄えがいい。ラストのエロシーンなど左右対称的な構図も多くて個人的にはすごく好み。バリーリンドンを思い出した。

エロシーンやエロを連想させるシーンが全体的に多いんだけど、低俗で下品なエロと純粋で愛に基づくエロとをうまく描き分けてるのが良かった。

なんかいろいろ連想してばっかりだけど兎にも角にもサスペンス、ラブロマンス、スリラー、歴史物、全てのジャンルにおいて素晴らしい映画。是非見て。