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ブンミおじさんの森の10000lyfhのレビュー・感想・評価

ブンミおじさんの森(2010年製作の映画)
3.5
腎臓病で余命の短いブンミおじさんが、亡き妻の霊や、行方不明だった息子が姿を変えた猿の精霊と交流し、前世?(高貴な女性またはナマズ)を見たり、未来の悪夢的独裁政権を夢の中で見たり(ラジュテを彷彿)した後、亡くなり、喪中に義妹や甥が分身する。いくつかの表象は初めて見るようなものだったが、それぞれでも全体としても、大きな衝撃を受けるようなものではなかった。それでも、自分の既存の感性は少しずらされたと思うし、そのずらされた感覚を味わいつつ、タルコフスキーにも通じる、自然の美しさと幻想みに没入(端的に言ってしまえば「非西欧のマジックリアリズム」なのだが、そんな言葉が浮かんでしまう自分が残念)。ぼーっと見ても心地よく、バックグラウンド映像としても使える(ナマズのシーンはダメか苦笑)ような作品。劇伴はなく(ラストのレストランでのソースミュージック(オルタナみロック)がそのままエンドクレディット曲となるのが唯一の例外)、大半のシーンで、背景音の虫の音が心地良い
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