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奥田民生になりたいボーイと出会う男すべて狂わせるガールのohassyのレビュー・感想・評価

3.0
この映画を観ることにした理由は2つ。
ひとつは大根監督作品であるということ。
「バクマン。」は本当によかった。
もうひとつは、これは日本の決して少なくない人数の男性がいるだろうが、僕こそが「奥田民生になりたいボーイ」だからだ。

映画を観てからというもの、脳内民生ライブが止まらない。
iTunesでのリスト作りに忙しい。
いますぐ民生を聴きながらランニングに出たい(まだムリ)。

民生に強く憧れている連中は、僕の年代を上限に5歳くらい下までがコアだと思う。
40代前半あたり。
ユニコーンからソロになった彼を見守っていた世代。
「愛のために」を聴いて、やっぱり民生だと喜んだ世代。
最近、テレビ番組や広告で民生の曲が使われることが多いけれど、これは事務所や民生がどうこうしているわけではなくて、奥田民生になりたいボーイ世代が働き盛りになって、現場での提案や決定を下す地位に達したからだ。
少し前だと尾崎豊や氷室京介なんかがよく出ていたのと同じ。
僕なんかでもチャンスがあれば絶対に提案する。
そりゃあ旅モノには「イージュー☆ライダー」使いたいじゃん!
でも少しずつミスチルあたりが使われ始めているから、そろそろ世代交代かなとも感じている。
急がねば!

民生の話はこれまたキリがないのでここまで。

本作のノリはモテキにとても近く、妻夫木聡と山本未來のキャラや展開がかぶる。
この2人は間違いなくイケメンでモテるはずだろうけど、こういうモテない男を演じてもすんなり受け入れられる雰囲気があって、いい俳優なんだなと思う。
妻夫木聡は「渇き」の悪い刑事役がすごくよかったなあ。

一方で水原希子に関しては、「ちょっと違うだろう」と。
それは彼女のイメージからそう感じていて、どちらかといえば小松菜奈の方が良さそうだなあ、でもバクマンに出てたしなあ、年齢も合わないか、などと思いながら観てみたら。

よかったです、すみません。
ファンタジーレベルの狂わせガール的発言や行動とか、しつこいくらいの激しいベロチューとか、間違いなく見所であるふんだんな下着姿とか、これらは彼女くらいの完成度でないとあっという間に下品で自分勝手な女になってしまったことだろうな。
あそこまで完璧だと逆にコメディーに仕立てられるという、素晴らしい効果を発揮していた。
あれだ、「メリーに首ったけ」だ。
小松菜奈ではやはり若すぎて、卑猥な印象が出てしまうかもしれない。
その昔金城武と深田恭子のドラマで、2人が川に飛び込んでキスをするシーンがあって、まだ10代の深田恭子に対して金城武が積極的に舌を入れるもんだから、なんだかものすごく卑猥な印象になっていた記憶がある。
あれはよかった。
いや違う。
そうなる可能性があるストーリーを、水原希子をキャスティングすることで見事に回避している、ということ。

それと、これは自分だけでは思いつかなかったことだけれど、これを観て「水原希子になりたいガール」が多いということ。
そうだよねー。

あとはやっぱり曲の使い方が大きな魅力で、所々で異論はもちろんあるけれど、自分だったらこう使うのにとあれこれ考えられるのは大きな幸せだ。
民生に憧れ続けて、あのおおらかさと抜け感に影響を受けて、芯の確かさとスケール感に痺れてきたこの30年弱。
ユニコーン時代もソロになってからもどちらも同じくらい好きだけれど、歳をとるにつれてやはりソロになってからのスケール感とスタンス、言葉が好きになってくる。

かっこいい。
カラオケ行きたいな、10年ぶりくらいに。
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