都会人のピットイン再び。最近社会人になった自分としてはこんな食堂が実在したら確実に通ってしまう程の求心力がある。
「めしや」を訪れる人はそれなりに幸せでそれなりに心に闇を抱えている。自分の足で立って歩いているけどふとした時に足がもつれて転ぶ時もある。そんな体と心の拠り所みたいな店なんだろうね、あそこは。
そんな拠り所の主たる小林薫さん扮するマスター。あの癒しボイスと目だけで優しさを表現する芝居がとにかく素敵で、こんなマスターが新宿に本当にいて欲しいと思う。
毎回色んな料理が出てくるけど、今回は看板メニューである「豚汁定食」にまつわるエピソードが一番よかった。出来る物なら何でも作るあの店でなぜ夕起子お婆ちゃんがあの定食にこだわったのかの理由が何だか切なくて。哲郎さんの「言うなれば忘れられない病」って言い方も胸に来るね。
一流の俳優陣が物語の世界観を壊さない演出も相変わらず流石。前作ではひねくれてた多部未華子が笑顔多めの女性になって個人的にはほっこり。
深夜深夜ファンなら是非ともご覧ください。
